古豪復活なるか。


 最近の磐田には力がない。若さゆえの勢いとパワーで押し切るには若手が迷い始めてきたし、エース前田の負傷離脱、その他レギュラー格の呪われてんのかと愚痴りたくなるほどの負傷ぶりを差し引いたとしても、面白いサッカーをしているとは言えない。
 その理由を監督に求めるのは簡単だが、なぜ磐田が磐田らしさをなくしてしまったのか、サポ歴の浅い自分ではあるが考えてみようと思う。
負傷者を除く臨戦可能な現有戦力をひいき目なしに見て、まず優勝候補に加わるのは無理があるだろう。


★エースの不在
 浦和レッズのワシントンやポンテ、ガンバ大阪のマグノ アウベスやバレー、川崎フロンターレジュニーニョマギヌン清水エスパルスのチョ ジェジンやフェルナンジーニョ、上位チームには必ず勝利の立役者となる点取り助っ人が存在する。磐田がこれを欠くのは痛い。外国人枠がひとり余っていることだし、前目の即戦力を補強してはどうか。チームはお題目のように日本人FW育成をかかげているが、現オシムジャパン代表FWを排出しているチームには、たいてい前目の優良外国人がいる。ガンバの播戸しかり、川崎の我那覇しかりである。新潟の矢野にはエジミウソンがいるし、神戸の近藤にはレアンドロがいる。佐藤寿人には盟友ウェズレイがいる。セルジオ越後氏と主張がかぶるが、日本人FWが優秀な外国人FWから学べるところは大きいのではないか。
 鹿島アントラーズダニーロやFC東京のワンチョぺのように、外国人選手がチームにフィットするかどうかは賭けとなるが、そこはブラジルでの監督経験があるアジウソン監督に人脈はないのだろうか。アジウソン体制を続けるのならばこの線に期待したい。


★補強の不足
 前田・西の離脱後、中山体長を駆り出しているように、FW不足状態が続いている。フロントは何の動きも(見える範囲では)見せておらず、大いに不満である。
福西を出したことも世代交代の意味では正しかったかもしれないが、彼の流出によって削り屋がいなくなり、チームは当たり弱くなった。そして飛び出しによる得点も失われ、チームは不振にあえぐこととなった。思えば福西流出時点での順位予想は各誌とも10位前後なのであって、福西の穴は大きかった…いや、各方面から戦力ダウンと見積もられていたことがわかる。サカダイ選手名鑑に開幕前予想があるが、最も磐田びいきの人すら8位が上限である。それだけ低く見積もられているということだ。今季、ルーキーを除いて採った戦力だが、パラナはまるきり抜けた服部の代わりのようなものだし、林は負傷が多く満足な活躍をするに至っていない。いまだ福西の穴は埋まらず、と言わざるを得ない。

 もうすぐ、Jは中断期間に入り、欧州の移籍市場も動きだす。磐田は動くことができるだろうか。